2月14日(水)、シネプレックスつくばにて。
 予告編を見た時に、なんとなく『砂の器』(74)をやりたいのかなぁと思っていたのだが、作品の前半で、事件の概要やその後の展開を予見するかのような字幕を多用する演出をはじめ、捜査のために刑事たちが日本各地を巡るところや、物語のキーとなる親と子の悲しき宿命が、やはり野村芳太郎の大作を彷彿とさせる。
 まぁ、『新参者』(10,TV)や『麒麟の翼~劇場版・新参者~』(12)では、殺人事件を捜査していく過程で、登場人物たちの「家族の絆」を描きつつ、『赤い指』(11,TV)や『眠りの森』(14,TV)では、犯罪を隠そうとする人々の心にもフォーカスした物語となっており、シリーズが進むにつれて、“砂の器”な雰囲気が徐々に顔を出すようになってきたようではある。
 犯人に感情移入させるための“ハッタリ”が少々弱いため、「愛する人を守るためとはいえ、けっこう狡猾な犯罪するよなぁ」と感じてしまったし、春風亭昇太演じる刑事が、事件解決の手がかりを見つける度になんだか嬉しそうで、殺人捜査をゲームのようにしか思っていないように見えて、ちょっと気持ち悪かった。
 それでも、主人公である刑事の加賀恭一郎が、家を出ていった母親の本当の気持ちを知った時の、安堵の胸をなで下ろした表情には、グッとくるものがあった。加賀を演じる阿部寛が日本橋を歩くエンドロールも、ファンへのサービスがたっぷりだ。
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 2月6日(火)、シネプレックスつくばにて。
 イドリス・エルバが演じる〈ガンスリンガー〉が、リボルバーに弾丸を込めるスピードが異様に速く、男の子スピリットを持った観客なら、絶対に「オォ!」と心の中で声を上げるに違いない。少年を連れ去った敵を、目を閉じて周囲の音を感じながら、自分の“気”で銃弾を放ち、一発で仕留めるシーンもカッコイイのだ。
 また、マシュー・マコノヒーが演じる〈黒衣の男〉が、“クールな邪悪”を振り撒いて不気味だ。ターゲットに顔を近づけてネチネチと心を崩壊させようとしたり、「カモーンッ!」と声を上げてエルバを挑発したりと、エキセントリックな感じがよく出ている。
 そして、クライマックスでの、エルバとマコノヒーの“超人対決”に興奮させられる。エルバが猛烈な勢いで二丁拳銃をぶっ放して、大量のガラスの破片をマコノヒーの頭上に落とそうとすると、対するマコノヒーは超能力で破片を操り、今度はエルバに向かって投げつけるシーンとか、アクションがいちいちカッコつけていて、まるでジョン・ウーの監督作を観ているかのようだ。
 肝心のタワーがボロボロになったパステルのようにしか見えないし、どうして登場しているのかよく分からないキャラクターもいるし、エルバが少年に射撃の訓練をするシーンがあるのだから、ラストにはひと工夫してほしかったところではあるが(まぁ道徳的に、作り手としては、敵に対して少年に銃をぶっ放せられないのかもしれないけれど)、怪物に襲われて負った治る見込みのない傷も、現代の薬によってすぐに治ってしまったり、エクスカリバーで造られたエルバの神聖な拳銃に、俗にまみれているであろう現代の弾丸がすんなり装填出来たりと、まぁ、なんか、ちょっと可笑しかったなぁ・・・。
 1月27日(土)、MOVIXつくばにて。
 1967年に起こったデトロイトでの大暴動の最中に、モーテルで起こった3人の白人警官による黒人たちと白人女性たちへの拷問を、息の詰まるような緊張感で描いているが、何も答えない黒人を別の部屋で射殺する「芝居」をするはずなのに、警官の1人が本当に殺してしまい、他の2人が慌てふためくシーンは、ゾッとさせられながらも、まるで狂ったコメディのようでもある。
 事件を引き起こした警官を演じるウィル・ポールターが、物語の前半で、盗みをした丸腰の黒人を背後から撃ったり、アパートの窓から外を見た少女を、兵士の1人が狙撃者と誤認して戦車から発砲したりと、物語の伏線と当時の混乱した状況もしっかりと描かれている。
 事件の後に、本当の事を言おうとしたりしなかったりと、少々気弱な2人の警官の心情には妙にリアリティーがあり、そんな彼らを自分の企みへと引き寄せてゆくポールターの演技は、本人自身もオドオドしながらも、心底ムカつかせられる。
 『ハート・ロッカー』(08)や『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)で、極限状況を生き抜いた主人公たちの心の変化を、有無を言わせないカットひとつで観客に投げつけてきたキャサリン・ビグローだが、本作のラストでも、喉元を締め上げられるようなパワーが放たれていた。
 1月10日(水)、シネプレックスつくばにて。
 烏帽子岩の上で熱唱する桑田佳祐がとにかくカッコイイだが、そんな桑田をドローンによって上空から捉えたカットが、スケール感溢れる映像になっていて迫力がある(この作品で、烏帽子岩に上陸できることを初めて知った)。
 中学時代の野球部での練習を再現するために、本作を引っ張ってゆく洋楽プロモーターの宮治淳一に茅ヶ崎海岸を走らせたり、茅ヶ崎のルーツにおいて重要な人物である鎌倉権五郎景政を観客に理解させるために、人類学者の中沢新一に「しばらく、しばらくぅ~」と歌舞伎の動きをさせたりと、60代のオッサンたちに身体を酷使させる熊坂出監督の、「プチ・サディスティック演出」には笑ってしまった。
 ドラマの後半はちょっと詰め込み過ぎだが、桑田を演じる野村周平の、将来に対する不安をサッと表情によぎらせる瞬間や、高校の学園祭で“自分”を掴んだ後の青春のパワーを漲らせたライブの高揚感がとても良かった。
 1月7日(日)、シネマサンシャイン土浦にて。
 ジェームズ・ボンドとハリー・パーマーがシャッフルされたかような主人公が活躍した『キングスマン』(14)の続編は、「お偉いさんはろくなことを考えない!」や「ダメな人間たちだからって軽々と大量殺戮してもいいのか?」といった批判精神があったり、自分の属する組織にも裏切り者がいたりと、押さえるツボはしっかりと押さえてあり、相変わらず油断がならない展開である。
 また、エロとグロがパワーアップしており、特にグロのほうでは、悪役を演じるジュリアン・ムーアのイカレっぷりがスゴい。“人肉ハンバーガー”のところなんて、『ブラック・エース』(72)や『エレクション 死の報復』(06)での鬼畜描写を超えている。
 前作で死んだはずのコリン・ファースの復活は、『男たちの挽歌Ⅱ』(87)でも参考にするのかなぁと思ったら、予想に反してストレートに生きていた。理屈は無茶苦茶だけど、そこがイイ。むしろ、主人公たちは知らなかったが、実はアメリカに同盟スパイ機関が存在していたってところのほうが、ちょっと香港映画っぽいぞ。
 せっかくチャニング・テイタムとハル・ベリーを登場させているのだから、もっと活躍させてほしかったところだが、オープニングのガジェット満載のカーチェイスや、ワンカットで描かれたクライマックスの死闘は、前作よりもアクションにキレがあり、活劇としてオモシロい。
 まぁ、なんといっても、最大の見せ場は、エルトン・ジョンの大活躍なんだけどね。
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