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 9月16日(日)に、東京国際フォーラムで開催の、~橋本忍さん、加藤剛さんを偲んで~特別追悼『砂の器』シネマ・コンサートに行ってきた。
 自分にとってはミョーな魔力を持った作品で、作り手が観る者を犯人に同情させたいがために、映画の展開が相当に強引になっており、「なんだか演出に騙されてるなぁ」と思いながらも、駅や列車や風土が旅情をかきたてるからか、後半での圧倒的な音楽と映像のためか、つい何度も観てしまうのである。
 演奏は東京フィルハーモニー交響楽団で、指揮者は和田薫さんである。2015年の『ゴジラ』(54)のシネマ・コンサートの時も和田さんだったな。まぁ、伊福部昭に師事していたしね。
 今回は、第一部の「紙吹雪の女」と第二部の「宿命」に分けての上映だった。74年の初公開の時は、休憩が入っていたようだ。
 先に「後半での圧倒的な音楽と映像のためか、つい何度も観てしまう」と書いたけれども、そんな後半を作り出すための準備である第一部のほうが、物語の構成が緊密で個人的には好きである。少ししか出ていないけれど、やはり今年亡くなった菅井きんさんの姿も。『ゴジラ』(54)では威勢が良かったが、本作では物語のキーとなる父親と少年のことをしみじみと語っていたなぁ・・・。
 第二部は劇中のコンサートと今回の公演を鑑賞する観客とがクロスし、当たり前だがリアルなサウンドが聴こえてくるので、とんでもなく興奮した。少年と父親の別れのシーンなんて、会場のあちらこちらで鼻をすする音が聞こえてきましたよ。やっぱり荘厳なんだなぁ・・・。
 アンコールでは、「宿命」を再び演奏。加藤剛さんの劇中写真がスクリーンに浮かんでは消え、最後は加藤さんと、本作の脚本を手がけた橋本忍さんのポートレートが映し出されて公演が終了となった。
 いやぁ、とても贅沢な時間を過ごさせてもらいました。
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 9月13日(木)、シネマサンシャイン土浦にて。
 スーツの機能が不調のために、体を小さく出来るはずのスコット・ラング/アントマンが、小学生くらいの大きさにしかなれなかったり、椅子に座ったでっかいアリが、家の中でスナックをバリボリ食べていたり、緊張感の漂う場面で、力の抜けるような携帯電話の着信音が鳴ったりと、何度も笑わせてくれる。特に、スコットの友人のルイスが“自白剤”でワルの子分と口論するシーンは爆笑必至だ。
 また、自動車を大きくしたり小さくしたりしながらのカーアクションは、これでもかとアイディアが満載であり、『ブリット』(68)もビックリの迫力である。ジャイアントマンが人々を見下ろしながらゆっくりと歩いてゆくシーンは、『ウルトラQ』(66)の「1/8計画」のようであるし、遊覧船をつかまえるところなんて、『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(65)を思い出しましたよ。
 『放射能X』(53)も“ドライブインシアター”で公開されているし、劇中の場面をミニチュアで再現したエンドロールもナイスであり、とにかく楽しませてくれる。“ミシェル・ファイファー”にまでなってしまうスコットを演じたポール・ラッドの芸達者ぶりもスゴイ。なんだか前作よりも頼りない感じがするのは気のせいかな?世界の危機よりも小ぢんまりとした展開がアントマンらしい。量子世界のビジュアルは宇宙みたいに思えるけどね。
 まぁ、ラストで一気に重くなってしまうのは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と繋がっているから仕方がないか・・・。
 9月11日(火)、USシネマつくばにて。
 主人公のデビーが仮出所の審査を受けるオープニングはもちろんのこと、小粋な会話を交わしながら強盗の準備を進めてゆく相棒のルーとの強い絆がしっかりと描かれていたり、自分を裏切った男へのリベンジがあったりと、物語のベースはシリーズのスタートとなった『オーシャンズ11』(01)であり、“リブート”というよりも“リメイク”のような作品になっている。デビーを演じたサンドラ・ブロックも、ルーに扮したケイト・ブランシェットも、やたらとカッコイイね。
 強盗が成功した後に、言葉を交わすことなく何処へと去ってゆくのが男なら、みんなで集まって大笑いしてはしゃぐのが女の泥棒たちだが、観客の予想を登場人物たちが出し抜くハードボイルドの話法がこのシリーズらしい。自分のゴシップをパロディにしたアン・ハサウェイが、バカっぽくてゲロまで吐いて、それでいて見せ場をさらって最高ね。
 せっかく華麗な衣装を着たセレブたちが集まるゴージャスな空間で犯罪を実行するのだから、もうちょっと映画にスケール感があってほしかったし、デビーをダニー・オーシャンの妹などにせず、これまでのシリーズとは全く独立した作品にしたほうが、中途半端な“リメイク”感を払拭できたような気がしないでもない。
 でも、もしシリーズとリンクしていなかったら、エリオット・グールドの元気な姿を観ることもできなかっただろうなぁ・・・。
 9月10日(月)、シネマサンシャイン土浦にて。
 人間がメガロドンの餌食となってゆくところを、『JAWS/ジョーズ』のようにジワリジワリと描いたりせずに、「ガブッ!」と一瞬で描写することで、目を背けたくなるような恐怖感は最小限に抑えられており、ホラーが苦手なオイラでも、ラストまで目を閉じないで観てしまいましたよ。
 もしかしたら、『インディ・ジョーンズ』シリーズを水で薄めたような『ナショナル・トレジャー』シリーズを手がけたジョン・タートルトーブが本作を監督していることが、皮肉にもこの映画を“誰もがとっつきやすい”作品にしているのかもしれない。まぁ、スプラッター映画が大好きな人には、ちょっと物足りないかもしれないけれど・・・。タートルトーブは「毒っ気を抜いたスティーヴン・スピルバーグ」なのか?
 せっかく体長が20メートルを超えるサメなのだから、海からジャンプしてヘリコプターにタックルかましてぶち壊すくらい豪快なシーンも観たかったが、ジェイソン・ステイサムとのガチバトルもあって見どころはキッチリ押さえてある。主演がステイサムなんだから、アクションは欠かせないしね。それに、“セクシー・ハゲ”の代表として、シャワーシーンもちゃんとあります。
 水浴を楽しむ人々の下をメガロドンが泳いでゆくところを俯瞰で捉えたようなロングショットの数々も、映画にスケール感を与えていてよろしかったデス。
 9月1日(土)、シネマサンシャイン土浦にて。
 シンメトリーに写しだされた東京の街を捉えたオープニングは、人間の心の中にある「善と悪」を表現しているようだし、主人公であるエリート検事の最上が、「罪を洗い流す雨・・・。そんなもんないから」と新任検事たちに言い放つシーンは、後に己の正義を貫こうとして悪を為してしまう彼自身を予見させ、物語の始めから強烈なインパクトを放っている。
 最上を演じた木村拓哉の、普段のクールな表情とは違って、ブローカーから拳銃の使い方をオドオドした顔で聞くシーンや、最上と供に事件を追う沖野を演じた二宮和也の、罵声を浴びせながら被疑者を追いつめてゆく取り調べの場面は、とてつもなく緊張感が漲っており、「重厚なスター映画」といった感じである。
 素早いカッティングにテンポの良い台詞回しや、現代美術を大胆に作品に取り入れるところは、いかにも本作の監督である原田眞人らしい。まぁ、白や黒の衣装を着た人々の怪しい舞踏は、ちょっと違和感があったけど・・・。少ししか顔を見せない登場人物たちにもグッと目が引きつけられるのも、原田作品のイイところである。
 今の日本を切り取った部分がイマイチ物語にブレンドしきれていないところもあるが、赤い煉瓦の建物が見える執務室の窓は『評決』(82)そのまんまだし、ヒッチコック作品を連想させる螺旋階段や、最上の感情が揺らぐ瞬間を捉えた不安定なカメラアングルはノワーリッシュだし・・・と、いかにもシネフィルらしい原田の演出には、ついニヤリとさせられてしまう。
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