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 1月3日(木)、DVDにて。
 小学校1年生の時から毎年5月に30年間も鬼ごっこを続けてきた5人の男たちを描いたコメディであり、「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌に掲載された実話から着想を得た作品。
 清掃係の職に就いて会社のCEOであるターゲットの友人に近づいたり、ギャーギャー騒ぎながらみんなで病院の廊下を猛ダッシュしたりと、すでに“オッサン”な主人公たちが無茶苦茶しているのが笑えるが、バカバカしくもやる気マンマンな彼らにフォーカスすることで、「何がウソで何がマコトか?」や「男と女の差って何なの?」という本作の公開された2018年の空気をしっかりと掬い取っている。
 鬼になったことが1度もないジェリーとあの手この手で彼と捕まえようとする友人たちを、『シャーロック・ホームズ』(09)のような緩急をつけた映像で捉えたシーンは、アホらしいニオイをプンプンさせているとはいえ、さすがにちょっと古臭いところが残念。“凶暴なパグ犬”って顔をしたジェレミー・レナーがジェリーを演じているのは、本作のタッチにピッタリなんだけれどね。
 それでも、“ちょっといい話”になりかけたところを、“子供心を忘れられない愛すべきヤンチャたち”の映画として締めくくったラストはイイ感じ。
 だって、おばあさんに変装したり着ぐるみを被ったりしてターゲットを狙う実際の鬼ごっこ仲間たちの嬉々としてゲームに興じる姿が映し出されるエンディングを観ていると、「笑って泣けるイイ話」なんて微塵も感じさせないしね!
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 12月29日(土)、シネマサンシャイン土浦にて。
 展開のメリハリが少々平板だったりするし、描写の薄い登場人物がいたりもする。
 しかし、本作の構成は、アリーとジャックという二人の主人公のエモーショナルな行動が物語を紡ぎ出してゆくといった感じであり、演出も彼らを捉えたシーンがとてもイイ。
 バーのカウンターに体を横たえたアリーとジャックが目を合わせた瞬間から、大きなステージで互いに額を合わせながら熱唱したり、バスルームで愛し合ったり口論したりと、アリーを演じるレディー・ガガとジャックを演じるブラッドリー・クーパーのケミストリーは、まるでスクリーンから感情が香り立ってくるようなのだ。
 本作で監督デビューとなったブラッドリー・クーパーだが、これまでの俳優としてのキャリアが、出演者たちの魅力を引き出すことに寄与しているに違いない。クーパーの兄を演じるサム・エリオットに自分の気持ちを伝えるシーンにもノックアウトされた。車で去る時の目頭を熱くしたエリオットの表情には、観ているオイラも男泣きである。
 メインとなる音楽シーンは全てが最高であり、もう堪らないですよ!
 11月18日(日)、MOVIX柏の葉にて。
 前作の『ボーダーライン』(15)では、アメリカ政府と麻薬カルテルとの“仁義なき戦い”をストレートに描いていたが、続編となる本作では、巨大な組織の政策の転換に翻弄されながらも、自分の信条を曲げずになんとしてでも生き残ろうとする登場人物たちの決断と行動に目を引きつけられた。
 監督のステファノ・ソッリマは、以前に手がけた『暗黒街』(15)でも、カジノ法案を成立させようとする政治家や、利権にありつこうとする裏社会の人間たちの思惑が入り乱れ、最後には登場人物たちの感情が爆発してゆく物語を演出しており、前作以上に混沌とした本作でも、あっけなく人々が死んでゆく殺伐としたアクションと、なんとしてでも生きようとする人間の執念をパワフルに描いている。冒頭での自爆テロに漂う冷たい緊張感は、「もうやめてくれ!」と叫びたくなるくらいゾッとするのだ。
 暗殺者を演じたベニチオ・デル・トロが標的に銃弾を叩きつけるカットや、二機の戦闘ヘリがターゲットの乗った車を至近距離まで接近して包囲するシーンには、異様な迫力がスクリーンから漂っており、特に、トリガーを左手の人差し指で押しつけるようにして連射する“デル・トロ撃ち”には、活劇としてのパッションも映像からギンギンに放たれているため、否応なくテンションが上がってしまう。
 後半の驚愕の展開では、“デル・トロ・パワー”が炸裂し、「あぁ、この人ならどんなことがあっても死なないよなぁ・・・」と妙に納得させられてしまう。続編やる気マンマンなラストにもゾクゾクさせられる快作となった。
 12月7日(金)、USシネマつくばにて。
 主人公が他人の生活を双眼鏡で覗くシーンは『裏窓』(54)だし、3人の女性を車やボートで尾行する場面は『めまい』(58)や『チャイナタウン』(74)を想起させるし、カルト教団が事件に関わってくる展開は『動く標的』(66)みたいだし、釈然としないまま物語が終わってゆくのは『インヒアレント・ヴァイス』(14)のようだし・・・と、アルフレッド・ヒッチコックのサスペンス作品やハードボイルド映画へのオマージュに、とにかく圧倒されながらも、ついついニヤリとしてしまう。
 また、主人公である“無職探偵”を演じたアンドリュー・ガーフィールドの、女性たちをこっそり追いかける時に手をフラフラとさせて走るのは気持ち悪いし、事件の真相に迫るには世の中に隠された暗号を解かなければならないと妄信するのはかなりアブないが、まるで夢遊病のようにロサンゼルスの迷宮を彷徨う姿は、『キッスで殺せ』(55)のように“フィルム・ノワールしていて”、とてもイイのである。まぁ、タフな探偵だったら、スカンクに分泌液をかけられることはないだろうけどね。
 「犬殺しに気をつけろ」という落書きを消そうとする女性店員の揺れる大きなオッパイや、店の中で列に並んでいたり談笑していたりする女性たちを、ボケーッと見つめているのだか見つめていないのだか分からないオープニングとはまるで反対の、“今までの自分”をちょっと遠くから主人公が見つめるようなラストを観ていたら、なんだかテレビアニメの『四畳半神話体系』(10)を思い出したなぁ・・・。
 12月1日(土)、シネマート新宿にて。
 豚や鶏や蟹が脚を泥まみれにしてゴミにまみれた道路を彷徨い、魂の抜けたような人間たちがボロボロになった服を着て酒を呷る光景は、とにかく吐き気がするほど汚らしく、300キロ先のジャングルで起こった油田火災の消火のために、少しの振動でも爆発するニトログリセリンを運ぶことで巨額な「報酬」をなんとしてでも手に入れて、「こんな場所からとっとと抜け出したい!」と焦燥する4人の男たちの心情を、観客にもストレートに叩きつけてくるほどに、「生き地獄」の劣悪な臭いが漂っている。
 また、激しい雨に叩きつけられながら、今にも壊れそうな大きな吊り橋の上を、煙を吹き上げながら前へ進もうとするトラックを捉えたシーンは、思わず呼吸を止めてスクリーンに見入ってしまうほど異様な迫力があり、物語の後半で主人公が幻覚に苛まれるシーンは、奇妙な形をした白い岩々に囲まれた異空間に呑みこまれそうな恐怖に包まれる。
 そんな猛烈なパワーに圧倒されるニトロの運搬は、しかし展開を足踏みさせないとはいえ意外と駆け足気味に語られてゆくのだが、物語の前半で4人の男たちがどうして希望のない土地に流れ着いたのかを時間をかけて演出し、後半で彼らの欲望と絶望を映像から引き出すことで、「運命に抗おうと危険な賭けに身を投じた男たちの末路」を描きつくすことが、本作のメインとなるテーマであり、ラストまで全く情け容赦がない。
 『フレンチ・コネクション』(71)や『L.A.大捜査線/狼たちの街』(85)で、「己の情念を爆発させて突き進んでゆく主人公」を描いた監督のウィリアム・フリードキンらしく、まさに“狂気の傑作”であった。
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Author:HORIDASHIDOGU
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