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 5月15日(土)、DVDにて。
 妖しくも美しい香港の街のネオンがフィルム・ノワールの雰囲気を漂わせており、異国の地で3人の主人公の友情が壊れてゆく展開は、ジョン・ウーの『ワイルド・ブリット』(90)に似ているが、ちょっと一捻り加えてあって、ありきたりな物語ではあるけれども、けっこうハラハラさせてくれる。
 麻薬組織のヘリコプターからの機銃掃射によって警察官たちが一気に死んでゆくシーンは、まるで『ダイ・ハード』(88)のような大規模なアクションで、生身の男たちが拳銃で激しく撃ち合う香港ノワールには似つかわしくないようでいながら、後半のクライマックスには、『ヒーロー・ネバー・ダイ』(98)と『ザ・ミッション 非情の掟』(00)を合わせたような激しい銃撃戦もあり、それでいて作品のバランスが崩れていないところは、『ディバージェンス 運命の交差点』(06)や『インビジブル・ターゲット』(07)を監督したベニー・チャンの手腕である。
 死んだはずの男が生き残った理由がかなり強引ではあるし、3人の友情に描写を割きすぎて物語のテンポがちょっと遅いが、過ちを償おうとする男たちの熱い感情に痺れる佳作となっている。
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 1月3日(木)、DVDにて。
 小学校1年生の時から毎年5月に30年間も鬼ごっこを続けてきた5人の男たちを描いたコメディであり、「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌に掲載された実話から着想を得た作品。
 清掃係の職に就いて会社のCEOであるターゲットの友人に近づいたり、ギャーギャー騒ぎながらみんなで病院の廊下を猛ダッシュしたりと、すでに“オッサン”な主人公たちが無茶苦茶しているのが笑えるが、バカバカしくもやる気マンマンな彼らにフォーカスすることで、「何がウソで何がマコトか?」や「男と女の差って何なの?」という本作の公開された2018年の空気をしっかりと掬い取っている。
 鬼になったことが1度もないジェリーとあの手この手で彼と捕まえようとする友人たちを、『シャーロック・ホームズ』(09)のような緩急をつけた映像で捉えたシーンは、アホらしいニオイをプンプンさせているとはいえ、さすがにちょっと古臭いところが残念。“凶暴なパグ犬”って顔をしたジェレミー・レナーがジェリーを演じているのは、本作のタッチにピッタリなんだけれどね。
 それでも、“ちょっといい話”になりかけたところを、“子供心を忘れられない愛すべきヤンチャたち”の映画として締めくくったラストはイイ感じ。
 だって、おばあさんに変装したり着ぐるみを被ったりしてターゲットを狙う実際の鬼ごっこ仲間たちの嬉々としてゲームに興じる姿が映し出されるエンディングを観ていると、「笑って泣けるイイ話」なんて微塵も感じさせないしね!
 6月11日(月)、DVDにて。
 本作はゴジラとメガギラスのバトルよりも、尊敬していた隊長を殺したゴジラを倒そうとする主人公を演じた田中美里とゴジラの闘いがメインであり、まさに『ゴジラ×田中美里』である。ゴジラの背ビレにつかまって発信器をブチかますシーンでは、全身から執念がガンガンに燃えていてカッコイイ。
 この作品でのゴジラは、「デカいトンボなんかに負けないぞ!」といった感じで顔をブルブルッとさせたり、メガギラスにジャンピング・ボディ・プレスをかましたりと、川北紘一が特技監督であった頃の平成VSシリーズ(89~95)では絶対にやらなかったアクションを披露しており、むしろ昭和のシリーズを髣髴とさせるダイナミックな動きに驚かされた。メガギラスもニヤッとした表情を捉えたカットが、性格がワルい感じをプンプンとさせてなかなかイイ。まぁ、バトルがちょっと長いけどね。デジタル合成が安っぽく見えるカットがあるのも残念なところではある。
 シリーズの第一作となった『ゴジラ』(54)をイメージしたオープニングから引き込まれるし、『空の大怪獣ラドン』(56)のメガヌロンを再び登場させるというサプライズにニヤリとさせられるが、昭和の東宝特撮映画ではチョイ役ながらも目を引いた加藤茂雄をわざわざアップで撮るところに、本作の監督である手塚昌明の“オタク魂の暴走”がチラッと見えた。フツーの観客には分からな過ぎるもんな。
 メガヌロンの成虫であるメガニューラが大群でゴジラに襲いかかるシーンは、『ガメラ2 レギオン襲来』(96)のゴジラ・バージョンといったところか。昆虫好きの少年が何度も怪獣に遭遇してしまう展開はサディスティックで、まるで子供の“悪夢”そのものである。
 ずっとクールだった田中の表情が少しだけ和らいだラストがグッド。
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 それでは、新年一発目の映画の感想であります。
 
 1月3日(水)、DVDにて。
 主人公である私立探偵のフィリップ・マーロウの目線で、依頼主であるスターンウッド将軍の屋敷までの道のりがクレジットとともに描写されるオープニングが、一人称で語られるハードボイルドに相応しいのだが、複雑な物語を観客に解りやすくするためか、登場人物たちの回想シーンがかなり多く、展開がけっこうもたつき気味。将軍の長女はカジノで賭けている時に唇を舐めたりしてなんだか下品だが、次女のイカレっぷりはけっこう凄まじかった。
 『さらば愛しき女よ』(76)ですでにマーロウを演じているミッチャムは、ロンドンの空気に染まったためか前作よりちょっとオシャレなっているが、くたびれた表情に信念を滲ませてカッコイイ。背筋もピシッとしてるしね。スターンウッド将軍を名優であるジェームズ・スチュアートが演じているし、『ジャッカルの日』(73)のエドワード・フォックスや『グラディエーター』(00)のオリヴァー・リードといった個性派俳優の姿を拝めるのもイイ。
 自動車が夜の海に突っ込むシーンは、砕け散った車とめの破片がたくさんの飛沫をあげて迫力があるし、マーロウと殺し屋とのアクションは、ポケットチーフとネクタイを結んで給油口に入れて火をつけるところがキレもある。これで物語にもエッジが効いてたらなぁ・・・。
 2月14日(土)、DVDにて。
 本編の約半分の時間を割いて、小さな田舎町の住人たちが抱える葛藤を炙り出しつつ、三人の男たちが強盗を計画してゆく状況も描いてゆき、クライマックスの銀行襲撃によって、人々の運命が突如として変わっていく様を、タイトな展開によって観る者を巻き込んでゆく監督のリチャード・フライシャーの手捌きがスゴイ。
 ラストのアクションは、被弾した男たちが苦痛の表情もなくバタッと倒れてゆく様が、人間が息をしない“物体”になった瞬間を見せつけられたかのようで、ゾクッとさせられる。
 出演者では、サディスティックな犯罪者を演じるリー・マーヴィンが凄まじい。ぶつかってきた子供の手を足でグリグリと踏みにじったり、強盗の最中に命令に逆らった女性を躊躇なく射殺したりと、後の主演作である『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(67)でのプロフェッショナルな雰囲気は微塵もなく、まさに“狂犬”だ。
 せっかく『暗黒街の弾痕』(37)のシルヴィア・シドニーが出演しているのに、大して出番もないのが勿体ないが、キビキビとした演出に、思わず手に汗握る佳作である。
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