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 8月18日(土)、MOVIXつくばにて。
 本作はスコット兄弟が製作に関わっているが、「死を目前にしながらも闘い続けようとする者」に共鳴してきたリドリーと、「己を苦しめる過去を乗り越えようとする主人公」を何度も描いてきたトニーのエッセンスが見え隠れする。
 監督のジョー・カーナハンも『NARC ナーク』(02)や『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(07)で“生き残ること”をテーマとしており、三人が初めて組んだ『特攻野郎Aチーム/THE MOVIE』(10)も、能天気野郎たちのサバイバルの物語だった。痛快で明朗な前作を、シリアスかつ重厚なタッチで描き直したのが本作といえるかもしれない。
 物語後半、次々と仲間たちが死んでゆき、遂にたった一人となった主人公が、空高くうっすらと輝く太陽に向かって、「どうにかしてみろよ!」と大声で怒鳴り散らした後、「クソ、自分でやるしかないか」と静かに呟き、生き続けようと再び歩き出す姿に、彼ら三人のコラボレーションが最高の形で表出している。
 また、このシーンで、パッションを体から漲らせて“神”にぶつかってゆく、リーアム・ニーソンの演技が凄まじい。物語前半の、妻の死を受け入れられない絶望からなんとか這い上がり、ありったけの知力と体力を振り絞って、狼たちの襲撃から必死に生き抜こうとする姿は、まさに三人の想いを体現した力強さに溢れている。
 そして、狼の吐いた白い息が一つ闇の中に浮かび上がり、段々とその数を増していくシーンや、鉛色の雲に包まれたアラスカの山々を映し出したカットなど、不気味ながらも蠱惑的な映像にも、つい引き寄せられてしまう。これまでの作品では、あふれんばかりの色彩を上手く画面に収めていたカーナハンだったが、本作では色彩の乏しさを逆手に取ったインパクトのある映像をモノにしている。
 観客の解釈に委ねたラストはいかにもカーナハンらしいが、感情がぶつかり合う男たちの言い争いはいささか長く退屈だし、カーナハンが拘ったほど狼がリアルに感じられないのが残念だ。もう少しタイトで、狼に神々しさがあったら、自然に対するニーソンの闘争本能も際立ったかもしれない。


 追記(8/19)
 『バットマン・ビギンズ』(05)や『96時間』(08)など、近年はアクション俳優のイメージの強くなったニーソンだが、彼の出世作はB級アクションの『ダークマン』(90)であり、肉体派としての萌芽はこの時から始まっていたのだろう。思えばこの映画でも、ニーソンは生き残りを賭けた戦いに身を投じていた。
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