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 10月7日(日)、シネマサンシャイン土浦にて。
 事件の黒幕はすぐに分かってしまうし、元CIA工作員である凄腕の主人公と闘うかつての仲間だったエージェントたちにあまり描写が割かれていないため、戦闘スキルが主人公と互角だと語られても説得力がなく、凄まじいハリケーンの最中でのクライマックスで次々と死んでいっても、「戦術のプロを相手に無謀なケンカを売ったノンプロ」にしか見えないのが、アクションがあの手この手で頑張っているだけに、余計に残念ではある。
 しかし、現在はタクシー運転手として働いている主人公と、絵の才能がありながらも今の生活に希望が見出せず、悪の世界に引き摺りこまれそうになる少年や、第二次世界大戦の時に強制収容所で生き別れ、長い年月が経った今も、姉の存在を片時も忘れない老人との、互いに心を通わせるシーンにこそ、監督のアントワーン・フークアが力を込められている気がしてならない。ストレート過ぎるほどの「人間の善意」に、まるでO・ヘンリーの短編小説を読んでいるような気分になるのだ。
前作の『イコライザー』(14)でも、身のまわりにある道具を武器にして敵を倒していた主人公が、それまでの物語のトーンをぶち壊すかのように、いきなり石油コンビナートを爆発するシーンが映し出されて面食らったが、映画のバランスを崩してでも、描きたいテーマや場面のために爆走するのが、“フークアらしさ”なのかもしれない。
 そんなアンバランスな演出を一本の作品として成立させているのが、心の弱い人間を厳しく諭したと思った次の瞬間、フッと笑顔になって相手を受け入れる、DIY精神が旺盛な主人公を演じたデンゼル・ワシントンの存在そのものであり、武器を何も使うことをせずに人生に悩んでいた人々の心に希望を与えたラストにスカッとする快作となった。
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