「PARKER/パーカー」を観た。

Category : 劇場公開作品

 2月23日(土)、シネプレックスつくばにて。
 アクションは、なかなか冴えている。
 主人公であるパーカーが、敵のアジトに侵入して、テーブルの下に自分の銃を隠し、撃針を壊して敵の銃を使えなくするシーンは、キメ細かい描写が唸らせるし、ホテルの一室で、彼と殺し屋が闘う場面は、頭をバスタブに打ち付けたり、手にナイフが刺さったりと、痛々しさと血生臭さを映像から漂わせ、思わず顔が歪んでしまう程の迫力である。
 また、サスペンスと笑いの呼吸も悪くない。
 ヒロインであるレスリーが、飼い犬がつけた血の足跡を、警官の目を盗んでタオルで拭き取るシーンでハラハラさせた後、満身創痍のパーカーをバスタブで見つけた母親が、慌てるレスリーを尻目に、何食わぬ顔で彼と心を通わすという、頼もしさとおトボケを同居させた場面をサッと挿入させるところは、なかなか堂に入っている。
 しかし、フィルム・ノワールとしては作品のテンポが緩慢だし、パーカーとレスリーが出会う展開も少し強引であり、まるで、中年女性の安っぽい夢想のようでもある。
 しかし本作は、「過去の」フィルム・ノワールの現代的な再現と考えると、なるほどと納得できる作りなのである。
 レスリーという名前は昼メロから取ったことを、彼女の母親が語る場面があるが、何事も上手くいかず、退屈な日々を過ごす彼女の前に、突然、男前でタフな銀行強盗が出現し、彼の復讐を手助けして今の境遇から抜け出そうとする物語自体、まさに昼メロのような“狙った安っぽさ”である。
 しかし、今でこそ高く評価されているが、1940~50年代のフィルム・ノワールは、男女の欲望が渦巻いた、“安っぽさ”に溢れた作品群ではなかったろうか。アクションと昼メロの融合が必ずしも成功しているとは言い難いが、アプローチとしては、決して間違ってはいない。
 また、人々の不安や幻想に応えるかのように、一人の男が死の底から蘇り、己の掟を貫こうとする姿は、『悪党パーカー』シリーズの第1作の映画化である、『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(67)も想起させ、原作者であるリチャード・スタークと、フィルム・ノワールの傑作へのリスペクトが感じられる。
 それでも展開のもたつきは引っかかるし、たくさんの登場人物たちを捌ききれていないのが惜しいが、監督であるテイラー・ハックフォードの緩慢な演出は、気楽に観られる“昼のメロドラマ”としては、ぴったりなのかもしれない。
スポンサーサイト

コメント:

非公開コメント

プロフィール

HORIDASHIDOGU

Author:HORIDASHIDOGU
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR