「オール・イズ・ロスト~最後の手紙~」を観た。

Category : 劇場公開作品

 4月28日(月)、シネプレックスつくばにて。
 広大な空間に取り残された人間のサバイバルを描くという設定は、同年製作の『ゼロ・グラビティ』(13)を想起させるが、この作品が“相棒”や“幻想”を描くことで物語を停滞から回避していたのに対し、本作ではそれらの要素を排除して、一人の男の生き残ろうとする姿を実時間で描き出している。
 これだけ聞くと、手に汗握る娯楽作品とは全く縁のない映画、のように感じる。
 しかし、穴の開いたヨットを修理し、説明書を読みながら六分儀で自分の位置を確認したり、海水から真水を作る装置を作ったりと、老齢の主人公の行動に観る者もいつの間にか感情移入してしまうのだ。
 その理由は、“音”だ。これからの困難を予感させるような不穏な風の音、耳をつんざくような雷雨の音、沈んでゆくヨットが海水で軋む音…。そして、男がほとんど言葉を発せずに、数々の困難に“寡黙”に立ち向かうからこそ、彼の行動に目が引きつけられるのである。
 ラストは様々な解釈が可能であるが、大海原での苦難に挑み、人間の限界を知った男への“洗礼”なのかもしれない。スクリーンを観ながら、『アフリカの女王』(51)を思い出した。
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