『スティング』(73)を観た。

Category : 劇場公開作品

 9月3日(水)、シネプレックスつくばにて。
 主人公の詐欺師を演じるポール・ニューマンが、人差し指でサッと鼻をひと擦りして仲間たちに集合の合図を送るシーンがとても小粋なのだが、殺された友人の敵討ちのためにギャングのボスに一世一代の詐欺を仕掛ける詐欺師たちの物語という、いくらでも血生臭くすることができる題材を、監督のジョージ・ロイ・ヒルは、ひたすら軽快に描いてゆく。
 ロイ・ヒルといえば『明日に向って撃て!』(69)が有名だが、時代から取り残されていく2人のアウトローの物語で記憶に残るのは、「青春」という年齢を通り過ぎてはいるが、自由奔放に生きる彼らのまぶしい笑顔だった。
 『華麗なるヒコーキ野郎』(75)でも『スラップ・ショット』(77)でも、主人公たちの状況は崖っぷちなのだが、物語は暗い展開になっても、映像は決して明るさを失わない。
 本作での若い詐欺師と刑事の駅構内での追跡劇が、チャップリンやバスター・キートンの作品を彷彿とさせる、サイレント時代の「追いかけっこ」のように演出され、ラストの「どんでん返し」が詐欺師たちの笑顔で成功を迎えるように、ロイ・ヒルにとっての映画は、過去への郷愁に明日への希望がほんのちょっと塗された“夢”だったのだろう。
 そんな“夢”を描くためには、ニューマンとロバート・レッドフォードの、スクリーン映えする端正な顔立ちと、洒脱な演技が必要だったのかもしれない。
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