『スパイ・レジェンド』を観た。

Category : 劇場公開作品

 1月26日(月)、シネプレックスつくばにて。
 『ゲッタウェイ』(94)や『バンク・ジョブ』(08)のように、本作の監督であるロジャー・ドナルドソンは、絶体絶命の状況に追いつめられても、生き残るための闘いを決して諦めない主人公たちを描いてきた。アクション映画ではなくとも、『13デイズ』(00)は、核戦争の危機から国民の生命を守ろうとする男たちのドラマであったし、『世界最速のインディアン』(05)は、自分の命がもう長くないことを悟った老人が、長年の夢を叶えるために奮闘する物語であった。
 引退していたスパイが、古巣であるCIAに追われながらも、陰謀の黒幕を暴こうとする物語や、『追いつめられて』(87)の主人公を想起させるヒロインのポジションは、いかにもドナルドソンらしい作風を感じさせるし、ソリッドな展開もイイ。
 しかし、登場人物の感情を描くことに力み過ぎたのか、フラッシュバックが幾分クドく、しかも物語への論理的な補強になっていないため、なんだか彼らの行動がちぐはぐに感じられてしまうのだ。
 また、アクションではスローモーションが多用されているが、街中での逃避行やホテルでの銃撃戦では、映像のテンポを却って鈍重にしてしまっているのが残念だ。クライマックスで、一人のスパイがジャンプしながら敵を殴り倒し、体ごとドアをぶち破りながら、標的に銃弾を放って人質となった少女を救う場面のように、水際立った映像の律動を感じるシーンもあるので、全編に作用していないのが、余計に勿体ないのだ。
 全体として吹っ切れない感じは幾分残るが、それでも、カッチリとした作品に仕上げたドナルドソンの「職人気質」は悪くない。“手堅いB級映画”として、なかなかに引きつけられる。
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