「北北西に進路を取れ」を観た。

Category : 劇場公開作品

 11月20日(日)、TOHOシネマズ水戸内原にて。
 知りもしない他人に間違えられた男が、謎の組織から逃げながら、事件の真相に迫ってゆく物語。
 優雅な映画、とでも言ったらいいか。ゆったりとしたテンポで展開し、決して物語を急かさない。
 かといってのんびりとした、締まりのない作品ではない。主人公が複葉機に襲撃されるシーンは、だだっ広いトウモロコシ畑が恐怖の舞台に変わる瞬間にゾクゾクし、主人公が赤帽に変装して警察から逃げる場面では、たくさんの赤帽をしらみつぶしに捕まえる警察の焦りぶりが面白く、サスペンスとユーモアのさじ加減が絶妙なのだ。これも、作品に優雅さを与えている要因の一つであろう。
 しかし、本作で最も優雅なのは、主人公を演じる、ケイリー・グラントではなかろうか。
 グラントが怪しげな男たちに捕えられ、ウィスキーを強引に飲まされて崖から落とされそうになるのを、泥酔したままハンドルを捌く姿は、危険な状況にもかかわらず、間の抜けた彼の表情が笑わせてくれる。
 逆に、ホレた女性スパイを助けるために病院から抜け出すシーンでは、それまではスーツをホコリまみれにして逃げ回っていたグラントが、軽快なシャツ姿になった瞬間、これから繰り広げられる彼の活躍を期待させ、ワクワクさせてくれるのだ。
 この、自分を笑い飛ばしながら、軽々とカッコつけてしまう余裕こそ、ハンサムで背が高く、長い手足を華麗に操るグラントの魅力なのである。
 そして、絶体絶命の状況を一気に打ち壊す鮮やかなラストがなんとも粋で、本作をよりスタイリッシュにしている。
 サスペンス映画の持つ緊張感と、観客のワクワクする気持ちを代弁するかのような、バーナード・ハーマンの音楽も素晴らしい。スリルのみを求める人には退屈かもしれないが、娯楽映画の全てが詰まった、なんとも贅沢な気分にさせてくれる作品である。
 
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