『ワイルド・ビル』(95)を観た。

Category : 録画

 アヘンを吸ったビルが見る幻覚はモノクロの安っぽいビデオ映像みたいだし、賞金稼ぎたちに捕まったビルがいかに窮地を脱するかと思えば、勿体ぶった展開の挙句に、“伝説”の衣に覆われたビルの姿にビビったガンマンたちが酒場から逃げ出す始末で、ウォルター・ヒルの監督作にしては、なんだか冗長。クライマックスの銃撃戦も妙にあっさりしており、銃弾を受けた無法者たちがド派手に吹っ飛ぶようなヒルらしい過剰なアクションがないのも残念。
 『ザ・ドライバー』(78)や『ストリート・オブ・ファイヤー』(84)で、都会に生きる人々をまるで西部劇の住人たちのように描いて傑作をモノにしたヒルだが、ズバリ西部劇となると、『ロング・ライダーズ』(85)のように、逆に伝説を“解体”したくなるのかもしれない。
 しかし、やはりヒルは「男の寓話」を描くことに長けた監督であり、本作で描こうとするテーマには、ヒルの手腕はどうもミスマッチな気がしてならない。
 それでも、薄汚い街路を照らし出す青や赤の光を蠱惑的に切り取ったスタイリッシュな映像は、まさにヒルのタッチであり、そんなカットを目にするだけで、なんだかニヤリとさせられてしまった。
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