『ジュラシック・ワールド』、再考

Category : 劇場公開作品

 2015年8月13日(木)、シネマサンシャイン土浦にて。

 大海原を越えてヘリコプターが島へ向かうカットや、ヒロインが赤い発煙筒でティラノサウルス・レックスを引きつけるシーンのように、シリーズの第1作となった『ジュラシック・パーク』(93)を彷彿させる場面が多く、ついニヤリとしてしまう。
 そんなオマージュでも捻りを効かせているのが、複数の恐竜の遺伝子を混ぜ合わせて生み出された凶悪な新種に、ティラノサウルス・レックスとヴェロキラプトルが“協力”して立ち向かうところだろう。互いに殺し合っていた1作目とは真逆の展開であり、「ハイブリッド恐竜」を相手に“太古のパワー”が炸裂している。
 「科学で生命をコントロールしようとする人類への警鐘」が主題だが、シリーズのもうひとつのテーマである「“家族”の絆」もしっかりと描かれている。特に、2人の甥っ子たちの年齢も知らなかったことに愕然とし、パークの混乱で行方がわからなくなった彼らを見つけ出そうとするヒロインの奮闘は、長編デビューとなった『彼女はパートタイムトラベラー』(12)で、過去に戻って母親の死を止めたい女の子を主人公にした、監督のコリン・トレボロウらしい演出である。
 また、1作目のラストが『赤ちゃん教育』(38)の引用だとすれば、勝ち気なヒロインが恐竜行動学のエキスパートと丁々発止とやり合い、多くの人々を巻き添えにしながらも、互いに危機を乗り越えて恋に落ちるまでを高いテンションで描き、それから後のことは気にもかけない“無責任な”幕切れも、ハワード・ホークスのスクリューボール・コメディの傑作を想起させ、やはり本作は1作目のDNAを引き継いでいる。
 それにしてはパークの全貌や人間模様を説明した物語の前半がいささか長くてもたつくのが残念だが、大暴れする恐竜たちを「目撃」するために映画館に足を運ぶ観客にとっては、現代に蘇った太古の生物たちのテーマパークに来場する人々のように、たいして関係のないことなのかもしれない。
スポンサーサイト

コメント:

非公開コメント

プロフィール

HORIDASHIDOGU

Author:HORIDASHIDOGU
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR