「モスラ」を観た。

Category : DVD

 12月3日(土)、DVDにて。
 連れ去られた小美人を助けるために南海の孤島から出現したモスラと、その進行を喰い止めようとする人々の物語。
 壮大な雰囲気の作品である。世界を股にかけた物語というだけでなく、卵から幼虫、そしてサナギから成虫へと変化する怪獣が主役であることも要因であろう。特に幼虫は自走式のものだけでなく、大勢の人間が入る縫いぐるみでも撮影されているため、ディティールの細かさが半端ではなく、精巧なビルのミニチュアと相まってとんでもないド迫力だ。ガソリンによって燃える大海原を悠然と渡る姿も、小美人を助けようとする本能がかえって無機的な恐ろしさを感じさせる。
 また、幼虫が糸を吐いたために巻き込まれたヘリコプターが市街に墜落し、火災が発生して、消防車が鎮火に駆けつけるというパニックの連鎖からは、怪獣という“非日常”のスケールの大きさが伝わってきて、特技監督の円谷英二らしい、きめ細やかなシーンとなっている。
 一方の本編は、脚本の関沢新一らしく、登場人物たちの会話が都会的でスマート。新聞記者役のフランキー堺とカメラマン役の香川京子のやりとりなど、サラッとしていながらも楽しませてくれる。言語学者役の小泉博は、前半での真面目ながらもちょっととぼけた味が面白かったが、後半は真面目一辺倒になってしまったのが少し残念だ。悪徳ブローカーを演じたジェリー伊藤は、憎々しげな表情と仕草が目に焼き付くが、片言な日本語によってドギツさは回避されている。上原謙や志村喬、そして河津清三郎ら重厚な俳優陣が脇を固め、物語を引き締めている。群集や報道陣の描き方は、監督の本多猪四郎らしい堅実な演出によって、作品に厚みをもたらしている。
 そして、古関裕而の音楽が本作をより壮大なものにしている。「モスラの歌」だけが突出して有名になったためにその陰に隠れてしまいがちだが、劇中での荘厳な曲の数々はもっと注目されてもいい。
  
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