「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」を観る。

Category : 劇場公開作品

 本日、シネプレックスつくばにて。
 昔々、海上から姿を消したユニコーン号の秘密を追う、少年記者タンタンの活躍を描いた物語。
 スピルバーグって、本当に映画が大好きなんだなぁと思う。
 洒落たオープニングクレジットの中に、ヒッチコックの『めまい』を想起させる映像があるし、タンタンたちが何もない大平原でセスナに襲われるシーンは、『北北西に進路を取れ』のオマージュだ。
 ヒッチコックだけでなく、砂漠に船が出現する幻想シーンは『アラビアのロレンス』だし、ホテル乗せたまま街中を爆走する戦車は『007 ゴールデンアイ』みたいだ。
 これだけならいつものスピルバーグ作品と変わらないが、本作ではこれまで自作品でしたことを、もう一度再現しようとしている。ツンと立ったタンタンの前髪が海面を進むカットは『JAWS/ジョーズ』だし、タンタンとハドックがプロペラに巻き込まれそうになるシーンなど『インディ・ジョーンズ』シリーズで度々見られる場面そっくりだ。遊びにしろアクションにしろ、スピルバーグはパフォーマンス・キャプチャーという新技術で、これまでやってきた試みに再びチャレンジしたかったのかもしれない。
 しかしスピルバーグがすごいのは、これまでの再現に終わらず、新たなアイディアを忘れないことである。防弾ガラスに入ったユニコーン号の模型を取り出すのに、悪役のサッカリンがオペラ歌手の歌声を利用したり、ハドックとサッカリンの、遠い先祖にまで遡る因縁の対決で、互いに剣ならぬクレーンを使用したりと、とにかく面白い。
 そして後半での、物語のカギとなる羊皮紙を持ったサッカリン一味と、それを追うタンタン一行の目まぐるしい攻防を描いたワンカットの凄いこと。アクションの連鎖を好んで演出するスピルバーグにしては、今回おとなしいと思ったのは前半だけ。このカットを観るだけでも、お金を払う価値はある。
 まぁ先祖代々引き継がれてきた伝説を大声で話すハドックの動きと、伝説の中で彼の先祖の動きがシンクロするシーンでは、展開の流れが停滞していて少し残念だったが、全体としてはスピード感溢れる展開で、最後まで楽しめた。続編にも期待したい。


 追記
 原作をちらっと読んだところ(12月10日)、セスナの襲撃シーンは、そのうちの一冊である『金のはさみのカニ』(他の原作は『なぞのユニコーン号』と『レッド・ラッカムの宝』)にあるが、スピルバーグは「エルジェの遊び心あふれる描画の奥深くにフィルム・ノワールやヒッチコック流サスペンス、はたまた古典的スリラー映画などの要素を見出した」と、劇場プログラムに書かれており、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』よりも純粋な形で、ヒッチコックの生みだした名シーンを再現できると、スピルバーグはほくそ笑んだに違いない。なんか、時空を越えてクリエイターたちが交流しているかのようで、ちょっと面白い。
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