「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を観る。

Category : 劇場公開作品

 12月20日(火)、シネプレックスつくばにて。
 クレムリン爆破の容疑をかけられ、祖国からも切り離されたアメリカの極秘スパイ組織・不可能作戦班、I.M.F.(インポッシブル・ミッション・フォース)のリーダーであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)とその仲間たちが、自分たちの疑いを晴らすため、爆破の黒幕で核戦争を引き起こそうとする狂信者の陰謀を阻止すべく奮闘する物語。
 バスター・キートンやケイリー・グラントのように、スラップスティックでもサスペンスでも、己の身体を駆使した映画の歴史は、ハリウッドで綿々と続いているが、トム・クルーズはその伝統を引き継ぐただ一人のスターと言っていい。
 クルーズには、キートンのようなアナーキーさも、グラントのような優雅さもないが、彼の持ち味は何と言っても「根性」である。体力を限界まで使って、粘り強く困難にぶつかってゆくときに、彼は魅力を放つのだ。
 それが最もよく表れているのが、ドバイにある世界一の高層タワーを特殊なグローブでよじ登るシーンだ。右手のグローブが吸着力を失った途端にそれを脱ぎ捨て、グローブの残った左手と何もはめていない右手でジワジワと登ってゆく姿が、キャリアでも実生活でも数々の困難を人一倍の努力で克服してきた彼の姿と重なり、映像から漲るパワーを観る者に強く感じさせるのだ。
 その後、ロープを体に巻きつけて宙を舞い、タワーを地面に向かって駆け降りるシーンは、手に汗握る迫力だが、それに続く、激しく砂塵の舞う街中での、敵とのチェイスも素晴らしい。追跡装置を使いながら全速力で相手を追いかけ、敵の乗る車に轢かれながらもなんとか生き延び、路上に置いてある車をフルスピードで相手に衝突させ、吹っ飛んできた車両をギリギリでよける展開が、とてもスピーディーでテンポが良いのである。
 この、空間における「垂直」と「水平」という二つの方向を、クルーズが縦横無尽に身体を躍動させるという、シリーズの伝統を最大限に生かしたアクションが、終盤のクライマックスであろう。爆発に頼らない、アイディア満載の格闘シーンに、心地よい満腹感を覚えた。
 また、CGの使用を最小限に留めて肉体のぶつかり合いをアクションの中心に据えた点や、アクションの合間にもユーモアをサッと挿入して茶目っ気を忘れない点もとてもいい。まさに、サービス満点の傑作だ。


 追記
 1.「コラテラル」と「宇宙戦争」で演じた“逃げながら反撃する男”と、「ナイト&デイ」で演じた“愛する者をそっと見守る、心優しき守護天使”という二つの要素を今回のイーサンは兼ね備えている点で、本作は近年におけるクルーズの集大成と言っていいのではないだろうか。
 2.「ハート・ロッカー」と「ザ・タウン」で注目を浴びたジェレミー・レナーだが、ここぞという時のタフさは変わらないものの、本作ではユーモアもちらっと見せており、前二作での偏執狂的な印象を拭い去ることに成功している。
 3.今作の予告編を何度か見る機会があったが、イーサンと数々のミッションを供にした“あの人”が出ていないため、本編を観る前はちょっと寂しい気分だったのだが、意外な形でちゃんと登場してくれていた。嬉しかったなぁ。
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