『戦争のはらわた』(77)を観た。

Category : 劇場公開作品

 9月10日(日)、新宿シネマカリテにて。
 ドイツ陸軍連隊の神話的存在である主人公のシュタイナーを、アメリカ人であるジェームズ・コバーンが演じ、また、大佐をはじめとする登場人物たちが英語で会話することで、物語がリアリティの縛りから解放され、第二次世界大戦に参戦したあらゆる国の軍隊で起きたかもしれない普遍的な作品となっている。
 激しい銃撃や爆撃によって吹き飛ばされる兵士たちをスローモーションを用いてクロスさせながら捉えた後、射撃する兵士のいなくなった機関銃や惨たらしい死体を映し出し、戦場が静寂に包まれる瞬間を描くことで、戦争の悲惨が一気に観客へと叩きつけられる。
 自分を裏切って部下たちを機関銃で射殺した少尉に、シュタイナーが怒りの眼光で銃弾を撃ち込むシーンは、本作の監督であるサム・ペキンパーの真骨頂。『ワイルドバンチ』(69)や『ガルシアの首』(74)でのバイオレンスを彷彿とさせる凄まじさだ。
 そして、シュタイナーと敵対する狡猾なシュトランスキー大尉を憎々しげでありながら滑稽に演じたマクシミリアン・シェルがいなければ、ラストでのコバーンの諦念を湛えた大きな笑い声は強いインパクトを放たなかったかもしれない。
 「イヤな野郎たちだけど絆が強い奴ら」であるシュタイナーの仲間たちの「イヤな野郎」度が意外と低いのだが、『ワイルドバンチ』ミーツ戦争映画であり、“負け犬たちのプライドを賭けた闘い”を描いてきたペキンパーの傑作となった。
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