「宇宙人ポール」を観た。

Category : 劇場公開作品

 1月17日(火)、シネプレックスつくばにて。
 エリア51から逃げ出して故郷の星へ帰ろうとする宇宙人と、彼と遭遇したために目的地へと送ることになったSFオタク二人の物語。
 欧米でのUFOや宇宙人との遭遇譚を本で読むと、20世紀における“天使”のような存在と捉えることのできる事件もあり、本作で、下品な言動や行動を振りまきながらも、やたらとフレンドリーで、ガチガチの思い込みや信仰に縛られた人々の心を解放してゆくポールの存在は、まさに天使である。
 また、死んだ人間を生き返らせるポールを見て、彼を追いかけていたキリスト教原理主義者が「神だ!」と狂喜するシーンがあるが、本作のパンフレットにコラムを書いている町山智浩の[〈映画の見方〉がわかる本 『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで]によると、スタンリー・キューブリックは一神教を信じていないながらも、神を科学的に定義することはできるとして、高度に進化した異星人の存在を『2001年宇宙の旅』で描いたと書かれており(35ページの10行目~18行目)、神を信じる人もそうでない人にとっても、宇宙人とは人間の理解を超越した存在であるのかもしれない。
 そのような人々の思い込みを逆手に取った、ショートパンツ一丁で腰に手をあて、時には素っ裸で追手から逃げ惑うポールの性格や行動は観ていて面白いが、物語もしっかりしていて、伏線の張り方が非常に上手い。大物キャストの捌き方もツボを心得ており、マニアでなくても理解できるレベルながらも、ちゃんと笑えるのがいい。
 登場人物たちは変わり者ばかりだが、どのキャラクターにも、特に、一見悪役であるヒロインの父親にも温かい眼差しが感じられるのが良い。『ファーゴ』や『ボルケーノ』、そして『グラン・トリノ』でもそうだったが、演じるジョン・キャロル・リンチは、コワモテながらもいいシーンをさらってゆく、なかなか味のある俳優だなぁと思う。
 ラストはまんま“あの映画”へのオマージュなのだが、「自分らしく正直に生きるのが一番だ」と語るポールの顔を見ているだけで、こちらも気分が良くなってくるから不思議。
 バカ映画の面を被った感動作、といったら褒め過ぎかもしれないが、その言葉も決して間違ってはいない傑作だと思う。
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