「フレンチ・コネクション」を観る。

Category : DVD

 2月2日(木)、DVDにて。
 マルセイユからニューヨークヘロインを密輸する「フレンチ・コネクション」の麻薬王シャルニエを追い詰めるニューヨーク警察の刑事ドイルの物語。
 ナイトクラブで派手に札ビラをきっている男を見た瞬間、犯罪の臭いを嗅ぎ取るドイルの狂犬を思わせる冷徹な目が、自らの直感を信じて猪突猛進するこの刑事の凄まじさを予見させる。「犯人を逮捕する」というより、「犯人を殺してやる」といった勢いで、自分を狙った殺し屋に背後から銃弾を放つダーティな男なのだが、悪は絶対に許さない彼の性格が、観る者を自然と感情移入させてしまう。ドイルを演じるジーン・ハックマンの、執念深く敵を追跡する姿は、単なる勢いだけでなく、映画的な興奮に満ちている。
 また、麻薬取引の大物であるシャルニエは、紳士的な格好と振舞いが優雅で、下品でくたびれた風体のドイルとは正反対だ。私生活では若い恋人との会話を楽しみ、仕事では殺し屋を使って邪魔者を消すなど、決して自分の手は汚さないところも大物の風格が漂う。
 二人のコントラストは見事だが、汚れた世界に生き、必要ならば暴力も厭わない点で、刑事も犯罪者も紙一重なのだという、監督のウィリアム・フリードキンの視点は、描き込みが浅い。
 もっとも、これはフリードキンの功罪だろう。説明を削ぎ落とした展開は、本作の魅力でもあるからだ。冒頭の、麻薬の売人をしめあげる刑事二人のやりとりが芝居だとか、車の後ろに置かれた帽子は、尾行していることを警察仲間に知らせるサインだとか、別に分からなくても、映画は充分に面白い。細部へのこだわりは、あくまでも映画のリアリティのためで、深入りはしない。だから、スピーディーな物語が誕生したのである。
 他にも、ドイルの相棒であるラソーを演じるロイ・シャイダーの、標的を逃さまいと足早に追跡したり、射殺された男に素早く駆け寄ったりと、ハックマンの重厚で勢いのある動きと好対照な俊敏さや、物語のヒリヒリした雰囲気が伝わってくる、粒子の荒くてザラついた画面、街中の追跡シーンでの、映像の奥行きを巧みに使ったスタイリッシュな人物配置も素晴らしい。
 結果として、展開が速くて息つく暇もない、力の漲った作品となっている。まさに、刑事アクションの傑作である。
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