「日本列島 いきものたちの物語」を観る。

Category : 劇場公開作品

 2月7日(火)、MOVIXつくばにて。
 雪が激しく舞う闇夜の中を集団で駆け抜けるシカの群れや、ネズミを捕まえる時の跳躍が美しいキタキツネ、葉から葉へと素早く移動するカタツムリ、小川の中で排泄をするウリボウ、小綬鶏を捕まえる時の羽の躍動が力強いオオタカ、黒い巨体に白くて赤い傷が浮かぶザトウクジラ・・・と、動物ドキュメンタリーの魅力は、普段なかなか目にすることのできない動物の行動を見られることであり、その意味でも本作は楽しませてくれる。
 イギリスで製作された『ディープブルー』(03)や『アース』(07)が世界中をロケしたのとは異なり、本作は日本だけに焦点を絞ったものだが、下北半島のサルと屋久島のサルとの繁殖時の様子の違いや、屋久島ではサルの落とす木の実をシカが首を長くして待っていたり、サルがシカの背中にまたがったりと、動物の生態をより掘り下げたアプローチをしており、自分の生まれ育った小さな国土の、生物たちの不思議な習性には驚かされた。
 ただし、動物たちを真正面から切り取る真面目さはいいが、それぞれの物語がブツ切れで、全体としてテンポが良くない。先に挙げた二作品の、展開の流麗さを重視したエンターテインメント指向の編集を観ている分、余計に鈍重に思えてしまうのである。
 また、春夏秋冬でまとめ、四季折々の映像を随所に挟んではいるものの、デジタルで上映しているためか、所々色彩がはっきりせずに安っぽさを感じさせるのも、作品への集中を妨げている。
 そして、ナビゲーターたちもいただけない。統一感がなく、かといってそれぞれの個性が発揮されているわけでもなく、どうも中途半端なのである。動物に感情移入させたいかのような話しぶりも却って鼻につく。自然を人間の尺度で考えていいものなのかどうか・・・。
 しかし、他作品では見られない動物たちへの温かな視線は、実は本作のエクボなのかもしれない。エンドロールでの、イノシシを追いかけて猫背気味で撮影に集中するカメラマンの姿が、それを証明しているのではなかろうか。
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『日本列島 いきものたちの物語』

□作品オフィシャルサイト 「日本列島 いきものたちの物語」□監督 出田恵三 □撮影 岩合光昭、中村征夫、嶋田 忠 □ナビゲーター 相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ、黒木 瞳■鑑賞日
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