「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」を観る。

Category : DVD

 2月27日(月)、DVDにて。
 欲にかられた男たちによってニューギニアから日本に運ばれたオパール状の卵から生まれ、破壊の限りを尽くすバルゴンと、隕石の衝突によってロケットが破壊され、再び地球に舞い戻ったガメラの戦いを描いた物語。
 大阪城におけるガメラとバルゴンの対決シーンが素晴らしい。互いに睨み合い、一方が前進すればもう一方が後退する対峙のシーンはもちろんのこと、バルゴンの舌先から噴射される冷凍液によって凍りつきながらも、最後の力を振り絞って前足を踏ん張るガメラと、体を左右に揺らしながらその様子を見、じわじわとガメラに近寄ってゆくバルゴンを捉えたワンカットなど、二頭の生物感溢れる描写がたまらない。
 この生物感こそ、本作の魅力である。精悍な顔つきをしたガメラが、黒部ダムを破壊して、エネルギーである炎を吸収するシーンや、大阪市街を破壊して静かに寝ているバルゴンが、遠方からのミサイル攻撃を察知して目を開き、背びれから虹色の殺人光線を発射するシーンなど、生物としての怪獣を描くことによって、怪獣の感情までも表現している名シーンである。どうやってバルゴンが前方や後方へと殺人光線の向きを変えられるかというツッコミなど、映像の力の前では野暮ってものである。
 本編では、バルゴン退治のための知恵を自衛隊に与えるヒロインのカレンや、欲にかられたがためにバルゴンを誕生させたことを後悔し、その退治に全力を尽くす主人公の平田、そして、欲のために人を殺し続け、最後にはバルゴンに喰われてしまう小野寺という、良心、葛藤、欲望を一人ひとりが力強く表現している。ドロドロとした人間ドラマとして本作が意識されるのは、欲望の体現者としての小野寺の行動が、あまりに強烈なためであろう。
 登場人物達の感情の変化が唐突過ぎるが、それぞれの性格が表情にはっきりと出ているので、さほど気にはならない。重厚な出来栄えが素晴らしい、昭和ガメラシリーズの最高傑作ではないだろうか。

追記
1.バルゴンが舌先から冷凍液を出して自衛隊の戦車を凍らせるシーンで、バルゴンの手前にある川面に徐々に氷が張っていったり、大阪城でガメラがバルゴンに火炎を浴びせるシーンで、徐々に炎の勢いが増していったりと、細かい演出が作品を面白くしている。バルゴンの誕生シーンも、赤外線の強い光と、段々と柔らかくなってゆくオパール状のバルゴンの卵のカットバックが、実に効果的だった。
2.どうでもいいことだが、本作のガメラは実に凛々しい顔つきをしており、個人的には一番好きである。

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コメント:

No title

こんばんは、怪獣映画だとついつい反応してしまいます(__;)

「バルゴン」はもう何年も見てないのでだいぶデイティールとか忘れてますが、冒頭の黒部ダムのシーンだけはよく覚えています(数年前に初めてホンモノの黒部ダムを訪れた際、すぐそれを思い出してちょっとだけ感動していました)

それと僕はガメラシリーズの中ではこの作品の音楽が一番好きなのです(映画としては「ギャオス」と「バイラス」が上位に来るんですけど)確か担当した木下忠司さんは「水戸黄門」や「特捜最前線」なんかでも印象的な曲を残していると思いますが「バルゴン」本編でもそれを彷彿させる曲がたくさんあって、後年見返したときはそれだけで楽しいと思ってしまったものです。

でもここで記事を読んでるとまた見たくなってきますねー・・・CSでやってくんないかなあ。

コメント、ありがとうございます。

 確かに、本作の音楽はいいですよね。私は、オープニングや、中盤での、バルゴンが赤外線を浴びたダイヤの光に誘導されていることを確認した自衛隊が、琵琶湖畔に移動するシーンで流れる音楽が好きです。音楽を担当した木下忠司さんのキャリアを知ることができたのは、とても嬉しいです。ありがとうございました。
 本作は、どちらかといえば「自衛隊対バルゴン」といった印象で、ガメラの登場シーンはそれほどないですが、少ないのが逆に効果的なのでしょう、脳みそに映像が焼き付いています(子供のころ、ビデオで何度も見ているからということもあるのでしょうが)。次作の「ギャオス」も面白いですよね。自衛隊の司令官役の夏木章さんが、決断力のある、頼もしい演技が印象に残っています(「バルゴン」での、弟を思いやる兄貴役も素晴らしかったです。小野寺を演じた藤山浩二さんに向かって、「貴様が弟を殺したんだろっ!」と叫びながら、松葉杖を振り回すシーンには、異様な迫力がありました)。
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