「メン・イン・ブラック3」を観た。

Category : 劇場公開作品

 6月1日(金)、シネプレックスつくばにて。
 過去へ戻るために高層ビルから飛び降りるJを、恐竜が跋扈する太古の昔から、手を振りながら投身自殺する投資家が横に並ぶ1929年の大恐慌、そして物語の舞台となる1969年までの途方もない時間のうねりが包み込んでゆく。ブラックな笑いをまぶしたスケールの大きい捻りがいかにもこのシリーズらしく、良い意味でのバカバカしさがやはり楽しい。
 高層ビルというのはニューヨークのクライスラー・ビルのことであるが、メン・イン・ブラック(MIB)という都市伝説の、それもギャグにしかならない黒づくめの男たちを主人公にしてアメリカの現代史を語るという前二作でも散見された要素が、本作ではより踏み込んで描かれている。
 これによって、発射台の上でエイリアンと戦うKとJをアポロ11号の中から見ていたニール・アームストロングたちが、発射の中止が嫌だから見て見ぬふりをするという、いかにもふざけたエピソードも、“裏アメリカ史”として観る者の想像を膨らませてくれるし、ポップ・アーティストであるアンディ・ウォーホルをMIBの潜入捜査官にして、有名なスープ缶の絵を自ら茶化させるところなど、ちょっとした文化批評になっていて面白い。
 それはアクションシーンにも言えることで、中華料理屋でのMIB二人と殺し屋たちとの激しい銃撃戦は、古き良きアメリカ娯楽映画の王様であった西部劇を想起させるし、椅子に座ってドアに銃口を向けるKや巨大なバックパックを背負って空を飛ぶJの姿は、アメリカ合衆国のルーツの源流のひとつでもある大英帝国の生み出した、007シリーズにまでオマージュを捧げているかのようでもあり、観ていてニンマリしてしまう。
 悪役にはもっと華が欲しいし、タイムスリップを利用したクライマックスの格闘にもう少し粘りがあればより盛り上がったろうが、いつもながら情感漂うラストは良いし、皮肉を効かせながらも未来は変わり得ることをサラッとささやくところに、このシリーズ特有の“軽さ”が活きているのかもしれない。


 追記
 Kを演じるトミー・リー・ジョーンズとJを演じるウィル・スミスが互いに勢いよくドアを開けるシーンは、前作から10年経っても、「小粋な凸凹コンビ健在っ!」という感じで気分が良い。
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