「アメイジング・スパイダーマン」を観る。

Category : 劇場公開作品

 7月1日(日)、シネマサンシャイン土浦にて。
 アクションがなかなか壮快だ。ビルの間を颯爽と飛び抜けるスパイダーマンの軽快さはもちろんのこと、軽口を叩きながら泥棒を捕まえたり、下水道に糸を張り巡らせて敵を待っている間に網の目の上でゲームをしていたりと、驚異的な身体能力以外は普通の高校生であるピーターの感情をきちんと行動に反映させているところが、映画の密度を濃いものにしている。
 特に監督のマーク・ウェブは、前作『(500)日のサマー』(09)でも感じたことだが、“気分の高揚”を演出するのがとても上手い。本作でヒロインからピーターが初めてデートに誘われた後、倉庫の中で何度もスケートボードでジャンプしたり、天上からぶら下がったチェーンへ声を上げながら軽やかに飛び移ったりと、音楽との相性も抜群で心地良い。
 このような一見軽い映像も、己の軽率な判断によって育ての親である叔父を死に追いやってしまった悲しみや、己の行いによって怪物を生み出してしまったことへの責任という、ピーターの心の葛藤が描かれているからこそ活きてくるのであり、重くなりがちなテーマをあっさりと味つけし、観終わった後にポジティヴな気分にさせてくれるところに好感が持てる。
 もっとも、この“あっさり感”が裏目に出ているのも事実で、ピーターがスーツや装備を手作りし、スパイダーマンとしての姿を初めてスクリーンに晒すまでの展開はもう少し粘って描いてほしかったし、ピーターがヒロインを抱いて夜の摩天楼を飛んでゆくところはワンカットのみで物足りない。クラスメートの人となりも幾分中途半端だ。
 それでも、若い男女の織り成す恋愛はとても瑞々しいし、NY市民に助けられながら自分の責任を果たそうと、力の限り敵に立ち向かおうとするピーターの誠実さは、映像に力を与えている。
 あっさりとした演出ながらも、押さえるべきところはしっかり押さえられた、見応えのある快作となった。マーク・ウェブの更なる活躍に期待したい。

 追記
1.図書館でのスパイダーマンと敵との戦いは『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(89)を、研究所内でのヒロインと敵との攻防は『ジュラシック・パーク』(93)を連想させた。
2.青い雪のような解毒剤が街中に降り注ぐシーンは、幻想的で美しい。この辺りもマーク・ウェブらしい品の良さがあるように思う。
3.“自分の心に誠実に生きようとする主人公”は、ウェブの前作『(500)日のサマー』でも描かれていた。周囲の助けに支えられながら成長するというところも一緒だ。
 
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