「リンカーン弁護士」を観た。

Category : 劇場公開作品

 7月15日(日)、シネプレックスつくばにて。
 札束の入った紙袋を数回振って金額を「数える」仕草や、敵の動きを見抜いて先回りして待ち構える勘の鋭さなど、『マルタの鷹』(41)や『三つ数えろ』(46)といった、ハードボイルド映画の伝統ともいえる、抜け目のない主人公のクールさを、本作の不良弁護士は受け継いでいる。
 とはいえ、これまでのハードボイルドの主人公たちが己の信念を貫いて悪に立ち向かっていったのに対し、本作の主人公は、無実の人間を刑務所に送った過去を後悔したり、依頼人に仕事仲間を殺されたことで自分を責めたりと、タフなようで精神的にかなり脆い。
 それでも、自分の心に巣食っている“無実を見抜けない”ことの恐怖と正面から向かい合い、社会のはみ出し者たちとの強い絆に助けられ、法廷で自分が無罪にした依頼人を捕まえてしまう大胆さは、まさに痛快だ。
 ストリートの人々を助けることを誓った男の決心の表れである、リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所代わりに街を駆け抜けるという設定が、イマイチ物語と絡み合っていないのが残念だが、主人公を演じるマシュー・マコノヒーをはじめとする芸達者たちの演技が、それを補って余りある。主人公の熱い心意気と大胆な行動にスカッとさせられる快作である。


 追記(8/5、日曜日)
 そういえば、マコノヒーのギリシャ彫刻のような端正な顔立ちはポール・ニューマンにそっくりだが、彼も『動く標的』(66)で別れた妻を心の拠り所としていたのを思い出す。やはり本作のマコノヒーは、どこまでも正統なハードボイルドの後継者だ。
スポンサーサイト

コメント:

非公開コメント

プロフィール

HORIDASHIDOGU

Author:HORIDASHIDOGU
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR