6月3日(日)、MOVIXつくばにて。
 人間の生き残りと思しき「フツア」の巫女である姉妹の登場は、モスラと共にいる小美人を連想させるし、異星人の「ビルサルド」が“自立思考金属体”と同化してゴジラを倒そうする展開は、なんだか『美女と液体人間』(58)のようでもあり、これまでの東宝特撮映画の要素がちょいちょい取り入れられている。
 また、文明の発展のために地球を荒廃させた人類が生み出したゴジラを倒すためには人間の心を捨てなければいけないという「ビルサルド」の主張は、「本当の怪獣はそれを作った人間」であるという『ゴジラVSビオランテ』(89)のテーマと通底しており、下っ腹にズシンとくる作品ではある。
 しかし、登場人物たちの哲学じみた会話が物語を停滞させており、「さっさと話を進めろよ!」と言いたくなるほど鈍重である。前作の『GODZILLA 怪獣惑星』(17)も展開がノロかったが、「まぁ一本目はいろいろと説明しなけりゃならないからしゃーないか」とは二作目にもなるとさすがに思えず、再び退屈してしまった。せっかくゾクゾクするタイトルなのに勿体ないにも程がある。
 今回はビックリな登場をするメカゴジラだが、ゴジラファンがイメージするデザインでのバトルが観たかったかなぁ・・・。でも圧倒的に強いゴジラはイイね。
 5月19日(土)、TOHOシネマズ日比谷にて。
 ドウェイン・ジョンソン演じる霊長類学者と白いゴリラのジョージとの友情は、テレビ作品の『ウルトラQ』(66)の「五郎とゴロー」を髣髴とさせるし、失敗した遺伝子操作実験の巻き添えを喰らい、ジョージの体がどんどんデカくなるにつれて、彼を囲む檻も大きくなってゆくところは、『フランケンシュタイン対地底怪獣』(65)を思わせるし、ワルな姉弟が放った電波によって誘導された巨獣たちが、街を破壊しながらズンズンと進行してゆく展開は、まるで『怪獣大戦争』(65)のようだし・・・と、日本の特撮怪獣モノをついついイメージしてしまうほど、ストレートな怪獣映画になっている。
 また、どう見たって霊長類学者とは思えないマッチョなジョンソンも、元特殊部隊の兵士という「言い訳」・・・ではなくて「設定」がなされているため、ちょっと手こずっただけでヘリコプターも操縦できてしまうし、「弾丸が急所を外れなくても、たぶん生きているだろうなぁ」と、爆笑とともに力技でなんだか納得させられてしまう。倒壊したビルの窓ガラスの上をジョンソンが駆け抜ける足下で、ワニの巨獣が目をギラつかせて襲ってくるカットは、なかなかの迫力。
 物語の前半に登場するジョンソンの仲間たちが、後半になると全く登場しなかったり、オオカミの巨獣が尻尾から針を飛ばす必殺技も、その後の三匹の死闘では全く使わなかったりと、ちょこちょこと残念なところはあるのだが、勢いで爆走する物語が巨獣たちの大暴れを引き立てて、お腹いっぱいなのである。ワニの巨獣が叫ぶ度にIMAXの劇場がブルブルと振動してイイ感じ。ナオミ・ハリスはキレイだね。
 5月18日(金)、シネマサンシャイン土浦にて。
 暑苦しい警察署の取調室で、型破りな刑事の大上が行方不明となった男の妻と冷えたかき氷を食べるシーンは、まるで『野良犬』(49)のようだが、新米の刑事がベテラン刑事の“教育”によって成長してゆく物語でもあり、荒ぶる魂たちがぶつかり合う『仁義なき戦い』(73)の激しいタッチで映像が構成されながらも、黒澤明による刑事映画の傑作の雰囲気も漂っている。松坂桃李演じる新米刑事が大胆な行動に打って出るクライマックスでは、『用心棒』(61)を思い出したよ。
 目を覆いたくなるようなバイオレンスが繰り広げられるが、広島の夜の繁華街に降りそそぐ激しい雨が、登場人物たちの感情を反映しているかのようで、かなりノワーリッシュであった。
 後半は少々ウェットに偏ってちょっと白けるが、『NYPD15分署』(99)をも想起させる展開は、日本のヤクザ映画にハリウッド映画をぶっつけたようで、ヒリヒリとした緊張感が漲っていた。
 肩を動かさないでズンズンと歩いてゆく松坂の後ろ姿は、まるで『PAYBACK Straight Up: the Director’s Cut』(07)のメル・ギブソンを彷彿とさせた。江口洋介には日本刀がよく似合う。
 5月14日(月)、シネマサンシャイン土浦にて。
 とにかくアクションのつるべ打ちで、ワカンダの戦士たちとヒーローたちが迫り来る敵の大群を迎え撃つシーンは、『乱』(85)や『ブレイブ・ハート』(95)のようだし、肝心な時にハルクになれないバナーの「ひとり悪戦苦闘」のように、隙あらばユーモアを入れてくるところがいい。地上へのハンマーの一振りで、化け物の大群を吹き飛ばしちゃうソーは強過ぎね。
 たくさんのヒーローの活躍を描きながら、最大の敵であるサノスの感情にもフォーカスした物語になっており、むしろ本作の主人公はサノスと言っても過言ではないが、どちらも表面をなぞっただけのような演出になってしまい、なんだか「薄い」。まぁ、多くの要素を過不足なく作品にぶち込んだ作り手の腕前はスゴいんだけどね。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)という傑作を手がけたルッソ兄弟だからまとまったのだと思う反面、「彼らだったらもっと重厚な出来になったのではないか?」とも思ってしまうのだ。
 これまでのマーベル作品からは想像もつかないようなショッキングな展開が続き、否が応でも続編は観たくなる。
 5月6日(日)、シネマサンシャイン土浦にて。
 物語の前半は展開に起伏もなくて退屈だが、後半で連打されるアクションには痺れた。
 空からの爆撃で吹き飛ばされる兵士たちを、高速で移動するカメラで捉えたり、火の粉が舞い散る中で、主人公が朦朧とした意識を振り解くように立ち上がるのを夢幻的に描いたり、救出に来た戦闘ヘリのプロペラが巻き上げる土埃を、主人公の率いるグリーンベレーたちが体を屈めて避けるところを至近距離で撮ったりと、他の戦争映画ではなかなか見られないカットに目を引きつけられるのだ。
 特に、タリバンの多連装ロケット砲がロケット弾をガンガン発射するシーンは恐ろしいほどの迫力で、凄まじい爆発の中を馬に乗って駆け抜ける主人公を演じたクリス・ヘムズワースは、『マイティ・ソー』シリーズでもお馴染みの、「タフな戦士たちを率いるリーダー」としてピッタリである。
 製作のジェリー・ブラッカイマーは、本作と同じ戦争映画の『ブラックホーク・ダウン』(01)でも、パニック・アクション映画の『アルマゲドン』(98)でも、激しい爆発や戦いを描きながらも、伝えたいテーマは「仲間の絆」や「家族の絆」であり、ホメロスの『オデュッセイア』のような、苦難を乗り越えて国へ帰ろうとする父親の物語として、ラストもきっちりまとめ上げている。
 本作の原題が“12 STRONG”なのは、戦争アクション映画の大傑作『特攻大作戦』(67)の原題である“The Dirty Dozen”を真似てないかい?
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